パーコちゃん保護騒動で学んだこと

「今村さん!見たことのない三毛猫がいるわよ!!」
というご近所さんからの第一報で始まった、パーコちゃん保護騒動。
2017年5月29日朝のことでした。

駐車場でゴロンゴロンとするパーコちゃん急いで三毛猫がいるというところへ行くと…
ゴロンゴロンと寝っ転がっているかわいい三毛猫が…

「三毛猫ということは…」メスです。これは緊急事態!と焦りました。

私の住む地域では、何度もご紹介していて恐縮ですが、母ちゃんとニャゴの2匹が地域猫として管理されています。
メスである母ちゃんは避妊済みで、この地域で野良猫が増えてしまうことはない環境になっています。
そのため、地域では見かけない猫がいると、今村に通報が入る仕組みができあがっています(;´д`)
(もぐちゃんも、この仕組からわが家にやってきましたね…)

見るからに、人に懐いている三毛猫ちゃん。
耳カットもしていないので「飼い猫のお散歩途中では?」と思った(思いたかった)のですが…
「昨日の夕方から…いるわよ…」と不安そうなご近所さん。
う、うーむ!と、まずは様子を見ることにしました。
このまま居着くようなら何か考えよう…と、いったん先延ばしました。

その間に私がやったこと①。
「この猫ちゃん、知りませんか?」と写真と文章をつけてツイート。

その間に私がやったこと②。
ネットを使って、この地域に迷い猫の捜索が出ていないかどうかを調べること。

様々なキーワードと写真検索を…が、この時は検索には何も引っかかりませんでした。
その次の日。
仕事から戻ったタイミングで、昨日声をかけてくれたご近所さんに「三毛猫ちゃん、どうしました?」と尋ねると…
「ああ、いなくなっちゃったみたい!良かったわね~」との回答でした。
少しホッとした反面、心配も残っていました。
「良かった…良かったのかな?…お家に帰れたのかな」と。。

頭の片隅に三毛猫ちゃんがいるまま、夜を迎えました。
その時、家の直ぐ側から聞き慣れない猫の鳴き声。
三毛猫ちゃんが、わが家の目の前にいました。
目の前には猫嫌いで有名なお宅が。そのお宅のご主人の足もとにいました。
ちょこんと。
わなわなとしているようにも見える、お向かいのご主人…
急いでわが家の敷地に呼び寄せて、ご飯とお水を与えました。

うちの敷地にいるパーコちゃん
が、ご飯は食べずお水だけ飲んで…また姿を消してしまいました。
呼ぶと、近づいてくる姿を見て「飼い猫が捨てられたんだ…」と思いました。

心配であまり眠れぬまま、朝を迎えました。
付近を探してみましたが、三毛猫ちゃんの姿は見えず。
今度こそ、母ちゃんやニャゴに追われて姿を消したのかな?と思っていたところ。。

「今村さん、見かけない猫がいるんですけど」というメッセージとともに、三毛猫ちゃんの写真がLINEで飛んできました。
わが家から少し離れた場所にある、Aさんのお宅からでした。
急いで駆けつけると…近所のママさんたちが集まって「あそこあそこ」と指していました。
その日はだいぶ暑く、お留守のお宅の庭先でぐったりと横になっていました。
「お水だけあげてもらえないでしょうか?」と伝えると、用意してくれましたが…
ここに猫がいることをあまり、いや、かなり好意的に捉えていないように感じられました。

野良猫が居着いては困る。

誰しもが当然に思うことですが、その想いが強く伝わってきてしまう対応でした。
「責任をもって私が対処するので、様子だけ見て欲しい。追い払わないでもらえたら助かります」
と、強めに伝えてその場を去りました。

「この子が居着いたらどうしよう」

あの若いママさんたちが思うところは、私も感じていました。
だから、判断を先延ばししていました。
でも。
あのママさんたちと私が違ったのは、「とはいえ、放っておけないよね」と、何度もその感情がぶり返し、最後は立ち上がる…ということだけでした。

その間に私がやったこと③。
捕獲器のレンタルを手配。

二日後に決行と決めました。

一連の出来事で、ちょっと悲しくなってしまい…
(猫が疎ましく思われている現状を目の当たりにしてしまったため)
時折メソメソ泣いたりしつつ…ナーバスに過ごしていたのですが。。
夕方「この猫ちゃんじゃないでしょうか?って返信あるよ!」と、教えてくれる友だちのメッセージが。

①に記載した、Twitterで私が投げかけた「この猫ちゃん知りませんか?」ツイートに反応があったのです。
「おいでよ東浦和さん」という、東浦和の情報発信をしつつ、迷い猫などの情報も親切にRTしてくれているアカウントさんからでした。
(この時は相互のフォロー関係にもなく、たまたま東浦和の情報として、おいでよさんが見つけてくれただけでした。)
「ネコサーチ」という、迷い猫を探す人が投稿する掲示板に、そっくりな猫がいますと。。

このサイト、私も②で検索していました。
が、この時はまだ飼い主さんが掲示板へ書き込んでいなかったのです…
何回も検索をしなければならないと、実感しました。

「この子だ!パーコちゃんっていうのか!!」と、急いでAさんに「探している人がいる猫でした。保護するので、そのあたりにいれば教えてください」と緊急連絡。

その間に私がやったこと④。
近所の知り合い全てに「三毛猫を見かけたら何時でもいいから教えて!」と一斉LINE。

その間に私がやったこと⑤。
掲示板に「この子だと思います。連絡ください」と急いで電話番号を書き込みました。

自営業なので電話番号が広がっても困らないということが役に立ちました。
夜、「今、うちのそばで鳴いています」とAさんから連絡が入り、急いでライトと猫フードを持って数百メートル離れた場所へ。
その場所でパーコちゃんは、まるで私を待っていたかのようにちょこんと座っていました。

「パーコちゃん!帰ろう!おいで!」と呼びかけると…
ニャーニャー鳴きながら、私の後を着いてゆっくりと歩いてくれました。
我が家の前まで来た時に抱っこして捕獲。
急いでお風呂場へ連れていき、ご飯とお水、おトイレを用意しました。

その間に私がやったこと⑥。
保護したことを伝えるために掲示板にさらに書き込み。

お風呂場のパーコちゃんそーーーーーっと覗くと…お風呂のふたの上で横になって眠っていました。
手足を投げ出して、すーすーと。
外ではずっと鳴いていたのに。
きっととても疲れたのでしょう。
掲示板の情報から19歳であることも分かりました。
おばあちゃん、あとは家族の迎えを待つのみです。

その間に私がやったこと⑦。
警察に迷い猫についての問い合わせへ。

Twitterのフォロワーさんから「警察に迷い猫の届けが出ているかも知れませんよ」と教えてもらい、徒歩数分の東浦和警察署へ。
遺失物届けは出ておらず、私から拾得物届けを出すことにしました。
警察が間に入ることで、パーコちゃんを引取にきた人がもし立場を偽った人物だとしても、身元を明らかにせずには引き取れない状況を作ることが出来ました。
ここは強く「やってよかったこと」としてお知らせしたいですm(_ _)m

翌日、飼い主さんと連絡が取れ、無事、パーコちゃんはお家へ帰りました。
一緒に飼い主さんと警察署へ行き、手続きをして…
飼い主さんは、
「19歳の猫との別れが迷子だなんてと…母が泣いていて、とても喜びます」
と言ってくださいました。
キャリーバッグに入ったパーコちゃんお母様も後日、来てくれ…しかも、パーコちゃんをキャリーバッグに入れて連れてきてくれました。

…と、19歳のおばあちゃん猫パーコちゃんの3日間の大冒険が幕を閉じました。
パーコちゃんは、ちゃんと人を頼ってくれたことで帰ることが出来たと思っています。

「探している人がいる」と分かってからは迷いなく、行動できましたが…
それまでは正直に言えば、地域猫もしくは里親探しする猫をもう一匹増やすことになるのか…と気持ちは重かったです。

でも、SNSを通じて励ましてくれる人がたくさんいたこと、パーコちゃんの見捨てられない人望(猫望?)みたいなもの…いろいろなものが相まって、結局は捕まえる気持ちになりました。

一匹くらい、いざとなればどうにでもなる。
ただ、ここで見捨ててしまったら、この猫はどうにもならない。
と、最終的には思いました。

飼い主さんに返す、帰すことが出来て…本当に本当に良かったです。
協力いただいたすべての人に感謝を伝えたいです。
ありがとうございました。